おおぶの杜育み隊 サポーター養成講座2020「撮影の舞台裏を見学してみよう!」

大瀧拓哉・星野紗月ピアノリサイタル 無観客コンサート

(前編)


みなさま、こんにちは。おおぶの杜育み隊(愛称:育み隊)です。

わたしたちは市民ボランティアとして、大府市の文化施設「おおぶ文化交流の杜 アローブ」をサポートしています。アローブで開催されるコンサートのフロントスタッフ業務は育み隊の活動のひとつです。

緊急事態宣言の解除から1カ月あまり。先行きがいぜん不透明なまま、でも着実に復帰しつつある「新しい日常」で、各施設はコンサートの再開を模索しています。アローブは新しい日常のコンサートの第1回に「大瀧拓哉・星野紗月ピアノリサイタル 無観客コンサート」の動画配信を選びました。

今回育み隊はフロントスタッフではなく、養成講座としてその舞台裏を見学します。どうぞお付き合いください。


【おおぶの文化を交流させるひとたち――株式会社JTBコミュニケーションデザイン】

                    ※おおぶ文化交流の杜 運営管理会社(以下JCD)

まずはJCDの森マネージャー、ホール企画担当・服部さん、市民交流担当・横井さんの3名に、コロナ禍の下どのようないきさつがあって、どんな思いでこの初の試みを企画したのか、舞台裏の裏側をお聞きしました。

 

  • コンサートの見どころ、教えてください

森 「大瀧拓哉・星野紗月ピアノリサイタル」の収録を3日後に控えて、スタッフのみんな、どきどきわくわくなんです。

-- 初めてのことってときめきますよね。

 

森 「ほんとに大丈夫か!?」って心配もだんだん増えてきました(笑)。

 

-- 昨日(7月7日)、大府市愛三文化会館のYouTubeチャンネルでは「愛文ストリートコンサート 水野紗希 七夕スペシャル」がリリースされましたね。続いて、アローブではホールでのコンサート。

 

服部 絶対、ホールでのコンサートを丸ごと配信したかったんです。指さばきや表情、遠景の様子など目線も複数のカメラで切り替え、MCも入れて「動画配信ならでは」のコンサートを考えています。

 

-- かなり気合が入ってますね。

 

森 構成は演者の大瀧さん・星野さんと服部で考えたんです。

 

-- ずばり、見どころを教えてください。

 

服部 星野さんって、クラッシック音楽では珍しい即興演奏をされる方なんですね。当初はお客さんからことばのエッセンスをもらって、星野さんがその場でつなげストーリーにし、曲にするというスタイルを想定してたんです。でも、無観客になった今、観客役は市長に。

 

-- 市長に(笑)!

 

服部 恐らく話題は大府のことになるかと予想してるので、大府市公式マスコットキャラクター「おぶちゃん」に舞台の真ん中に立ってもらいます(笑)。おぶちゃんって大府の特徴が顔かたちになってるじゃないですか。それを見て、星野さんが何か引き出して曲にするかもなって。

 

森 大瀧さん・星野さんはお二人とも華やかでいらっしゃるので、映像にも映えると思いますね(笑)。本来ならコンサートは生で楽しむものなんですが、あえて即興演奏を動画で配信することで「生らしさ」を感じてもらえるのではないでしょうか。

 

  • 「ゆかり」が運んできた

--そもそも、服部さんが大瀧さん・星野さんにご出演をお願いした経緯って?

 

服部 大瀧さんのお姉さんが大府市で音楽教室を開いていらして、アローブのイベントにご出演されたことがあったんです。そのご縁で弟の大瀧さんを知りました。それで私、名古屋で開催された大瀧さん・星野さんのコンサートを観に行ったんです。素晴らしい演奏で、即興演奏もすごくおもしろいなって感動して。実は大瀧さん、以前にも大府で演奏されたことがあったんですよ。

 

-- 大瀧さんは大府出身?

 

服部 ではないんですよ。お姉さんが大府市で音楽教室を開かれたことでゆかりができて。

 

-- 育み隊が企画する「ふれあいの路コンサート」や、アローブの自主事業「市民公募企画2016」などに同じ音楽教室で教えていらっしゃるアーティストさんたちにご出演いただいたこともありますね。そういうめぐってくる「ゆかり」にちゃんと目を注げるかが文化を交流させるひとつのキーワードかもしれません。

 

  • こもれびホールのピアノは演奏してくれるひとを待っていました

-- 非常事態宣言が布かれていたときのアローブってどんな様子でしたか。

 

森 もう、人もいなくて毎日静まりかえっていて、時が止まったようでした。「この状態で何ができるんだろう」ってスタッフはずっと考えていました。

 

-- コンサートを動画で配信するというのは、そのときに決めたんですね。

 

森 もともと7月11日は、服部がコンサートを企画していました。そのコンサートを実現するには、当時の選択肢は動画での配信しかなかったんですよ。

 

-- 特にクラシック音楽界隈では、アーティストさん、リスナーさんから「生音じゃなければ」っていう声も聞こえてきます。配信に対する大瀧さん・星野さんのご反応はどうでしたか。

 

服部 「コンサートホールで演奏する機会がないなか、そんなチャンスをいただけてありがたい。ぜひやらせてほしい」というふうにおっしゃっていただきました。

 

-- むしろ支援と捉えてくださったんですね。

 

森 配信にすることに賛否両論あることは重々承知の上でした。大瀧さん・星野さんには、もしかしたら断られるんじゃないかとも考えていましたね。

この無観客コンサートの配信が決まってから、YouTubeなど周辺環境を整備したというのが実際です。PR動画も全部スタッフのお手製でして。その過程で「アローブチャンネル」は図書館さんへも広がりました。アローブは静かだったんですけど、スタッフは盛り上がっていたんです。