育み隊活動レポート2020 vol.4
アローブミニコンサートTGIF「テルミンの世界 新たな挑戦」
3月5日金曜日、いよいよコンサート当日です。緊急事態宣言は解除となったものの、厳重警戒措置が敷かれるなか、前日までに実に100人を超えるご予約をいただいていました。
15時には出演者の皆さんがアローブ入り。18時30分の開場ぎりぎりまで何度もリハーサルが繰り返されます。
あいにくの雨にもかかわらず、客席はたくさんのお客さまで埋まりました。その中には子どもたちの姿もあちこちに見られます。
さあ、開演の19時になりました。第1部 絵本『テルミノトピア』朗読とテルミンの共演からスタートです。
『テルミノトピア』 原案・絵 生方ノリタカ / 文 カワムラユキ 音楽が大好き、でもピアノの練習は嫌い。そんな少女が夢の中で不思議な森に紛れ込みます。そこは太陽の光が降り注ぎ、柔らかな風が吹く優しい恐竜たちの世界。アンテナのような長い銀色の角を生やした恐竜は、いつか写真で見た楽器のよう。鳥たちが恐竜のアンテナをぐるぐる飛び回ると音楽が始まって…。 |
テルミンを恐竜になぞらえたファンタジー世界を、テルミンとピアノの豊かな響きが恐竜の声となり、音楽となって幻想的に彩りました。
♪演奏曲リスト 『願いの叶う本』(作曲 丸本大悟) 『ペンギンとマトリョミン』(作曲 下田敦) 『二人でお茶を』(作曲 ヴィンセント・ユーマンス) |
換気のための休憩時間を挟み、第2部はミニコンサートです。
♪演奏曲リスト 1.『さくら』(作曲 森山直太朗) 2.『人生のメリーゴーランド』(作曲 久石譲『ハウルの動く城』より) 3.『今日もHappy♡』(作曲 橋口かをり) 4.『星影のエール』(作曲 Greeeen) 5.『パプリカ』(作曲 米津玄師) |
テルミンに加え、マトリョミン(マトリョシカに入った小型テルミン)、カホン、ピアノ、ウクレレなど、さまざまな編成によって演奏されたのはピアノの橋口さんのオリジナルを含む5曲。『パプリカ』では、会場全体がリズムを取り、子どもたちが踊り出す姿も見られました。
「テルミンの音色には演奏者の性格が表れる」と言われているのは前述のとおり。ダーチャの皆さん、観客の皆さんが一体となって、こもれびホールはなごやかで楽しい、素敵な空間になりました。アンコールは『風になりたい』(作曲 宮沢和史)。あっという間の1時間でした。
コンサートのアンケートには「フシギな楽器。魔法のよう」「久しぶりのコンサートで、とても気分が良くなりました」「30年以上前からテルミンを知っていたが、今回、初めて生演奏を体験できた」などなど、驚きや楽しんでくださった感触が伝わってくるたくさんの感想をいただきました。ご来場くださり、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
コロナ禍直下にあった2020年度。アローブミニコンサートTGIFにご出演いただいたFull Brass Fiveの荒木さん、ダーチャのタカさん、お二人とも同じことを言われました。「このような状況で、リモートによる音楽発信の技術は飛躍的に進みました。しかし、生で音楽を聴くという体験は、何ものにも代え難いと信じています」。
演奏者、鑑賞者、スタッフが同じ空間に居合わせてこそつくれるコンサートがある。アローブという公共の施設で市民による市民のためのコンサートを開くことの意義を考えながら、これからも、育み隊も歩みを進めていきたいと思います。
アローブミニコンサートTGIF(Thank God It’s Friday ! ありがとう、今日は金曜日!)は、お仕事・学校帰りの方やコンサートビギナーの方が気軽に楽しめる、週末のミニコンサートです。引き続き、2021年度もどうぞよろしくお願いします!